全脳自由帳

より考えるために書く

浪花少年探偵団(東野圭吾)

浪花少年探偵団 (講談社文庫)

浪花少年探偵団 (講談社文庫)

大阪の小学校の女教師を主人公にした連作短編集。

竹内しのぶ、25歳、独身、短大卒。大阪大路小学校六年五組担任の教師。ちょっと見は丸顔の美人だが、口も早いし手も早い。そのしのぶセンセのクラスの福島の父親が殺された。事件解決のためにしのぶセンセと教え子探偵団が大活躍。エリートの本間と刑事の新藤もしのぶをめぐって恋のさや当て大捜査戦。

短編5編。この人の小説には「重い東野圭吾」と「軽い東野圭吾」があるが、この短編集は「軽い」の方。ただしトリックはきっちりしかけられている。

「しのぶセンセのお見合い」では、殺人事件の周到なしかけがあった上でなおかつ新キャラクターを登場させることに成功している。「しのぶセンセのクリスマス」は結構本格的なトリック。この2編がよかったな。あとの3つも、大阪の子供たちとしのぶセンセの暖かいつながりが感じられて読後感のよい話だった。