
- 作者: 山田正紀
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1998/06
- メディア: 文庫
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首都高速5号線上りの大惨事で、三十代後半の白髪の男が倒れていた。傍らには女の右足だけが…。その男と女の右足は救急車で運ばれたが、車内に血痕を残して救急隊員たちとともに消失―数時間後、首都高の各所で女の左腕、首、胴体、左足が発見され、にわかにバラバラ殺人の疑いが…。奇想天外なトリックを連発する本格推理シリーズ第二弾。
期待にたがわずおもしろかったのだが、何しろえげつない話だった。このシリーズは当初各巻のサブタイトルが「触姦」「視姦」...で発行されていたのを「触覚」「視覚」...に変えたそうだが、この作品に関しては「視姦」の方が合っているかもしれない。最初からいきなりえぐいシーンが出てくるし、後半の陰惨さと衝撃は相当なもので、ちょっと呆然としてしまった。しかし小説で読む分には決してきらいではない。
今回もまた「捜査会議で刑事全員のためらいがちな期待の視線を浴びておとり捜査を決意する北見志穂」のシーンが出てくるだろうなと思ったら、やっぱり出てきた。2作目にしてすでに「お約束」になっている。
最後の真相にはちょっとあざといものを感じる。こういうの(どういうのかは秘す)をミスディレクションとして使われるとちょっとスッキリしないものが残る。