全脳自由帳

より考えるために書く

11文字の殺人(東野圭吾)

11文字の殺人 (光文社文庫)

11文字の殺人 (光文社文庫)

1987年の作品。

「気が小さいのさ」あたしが覚えている彼の最後の言葉だ。あたしの恋人が殺された。彼は最近、「狙われている」と怯えていた。そして、彼の遺品の中から、大切な資料が盗まれた。女流推理作家のあたしは、編集者の冬子とともに真相を追う。しかし、彼を接点に、次々と人が殺されて…。11文字に秘められた真実とは?
サスペンス溢れる本格推理!

なんか久しぶりに正統派の推理小説を読んだ気がした。正統派とか「本格」とかの定義はわからないが、殺人があって謎があり、手がかりは読者にも提示され、意外な真相(例によって私は全然わからなかった)がきっちり解明され、そしてドラマがある。最後にせつなさが残るのはやはり東野作品。人の心のそういうところを突いてくる。

このタイトル、作者が「無人島より殺意をこめて」にしたかったのを出版社の要請で変えられたらしい。そっちの方が絶対にいいと思うのだが。