全脳自由帳

より考えるために書く

アリスの国の殺人(辻真先)

辻真先といえば、「サザエさん」のエンディングで名前をよく見かけた記憶あり。脚本を書いていたはずである。その人の作品。

児童書の編集者・綿畑克二は、童話の『不思議の国のアリス』の世界をこよなく愛す青年だった。ある日、スナック「蟻巣」で眠ってしまった綿畑は、夢の中で美少女アリスと出会った。しかも彼はアリスの婚約者であり、殺猫犯人の容疑者として追われていた。やがて目が醒めた彼は編集長・明野重治郎が殺害されたと知らされるが、再び睡魔に襲われ、アリスの待つワンダーランドに引き戻される。長篇ミステリー。

TVアニメの人ならではのギャグが散りばめられていながら嫌味がない。実世界と不思議の世界でそれぞれ事件が起こる。どちらの謎解きも意外性があってスッキリできた。不勉強にして「不思議の国のアリス」を読んだことがないので、私の方に基礎知識に欠けるところがあったが...。それと、実世界と不思議の世界の事件にもう少し結びつきが感じられたらもっとよかった。