- 作者: ジョン・ディクスン・カー,小倉多加志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1976/05/01
- メディア: 文庫
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しかしもう1人、ジョン・ディクスン・カーは推理小説ファンの間で根強い人気があるようで、「カー・マニア」と言われる人が多いとか、「通といえばカー」というしゃれた格言があるとか聞く。そこでまず「三つの棺」に挑戦したが、「いかにも翻訳」の文章に辟易して挫折。リベンジに臨んだのがこれ。最後まで読めた。
思っていたよりよかった。密室のトリックはさすが大家と言われるだけあると思ったし、ホラーめいた雰囲気もよく、ラストに味わい深く結びついている。しかしやはり深く入り込めなかった感じは否めない。主として文化的背景の違いと、(割とよかったとはいえ)翻訳された文章を読んでいるというところからくるものだと思う。今後はやはりクリスティとクイーンぐらいにしておくかもしれない。