- 小林 シンヤ
- 日本実業出版社
- 1365円
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書評/ライフスタイル
ものをよくなくす。外で紛失することはそれほどないが、部屋や机の上を片づけるのが苦手なので、家の中ではものが見当たらなくなることがよくある。どうしても必要なものだと時間と手間をかけて探すことになり、いらいらするし悲しい気分にもなる。リモコン探知機(参照1, 2)は真剣にほしいと思っている。
以前友人が「ものが見つからないときは占いに頼るのもいい」と言っていた。すぐに意味がわからなかったのだが、「なくしたものは意外なところにあることがあるが、探している時は先入観にしばられていてなかなかそこに到達できない。占いからくる情報は先入観からの脱却を助けてくれる」という。なるほどそういうことはあるかもしれない。率はよくなさそうだが。
最近は、ものが見つからないとき、どうしてもすぐに必要なものでなければ探さないようにしている。家の中ならそのうち出てくるだろうし、時間と手間がもったいないからである。見つからないとすっきりしないので探したくなるが、冷静に必要性・緊急性のみで判断するように心がけている。普段から片づけることの方を心がけるのがいいのはわかっているが、それができる性分なら苦労はしない。
「探テク」は、ものをなくしたときの考え方、アプローチ、そして具体的な探し方を詳しく教えてくれる本。「本が好き!」というプロジェクト(書評をブログに書くという条件で本をタダで送ってくれる)の会員になったので、第1弾としてこの本を送ってもらった。以下のような章構成。
- ものを失くすとはどういうことだろう
- ざっと探してみよう
- 家を探してみよう
- 自動車・自転車・バイクを探してみよう
- 外を探してみよう
- 他の場所を探してみよう
- ここまでのまとめ
- 失くさないために
- 失くしたものを探すことであなたが得る多くのこと
1.はなるほどと思う内容だったが、かなり理屈っぽいのでここでちょっとイヤになる人はいるかも。
ものの探し方は大きく2段階に分かれる。なくす前の状況の記憶やなくしたものの性質を元に最もありそうな場所を探すクイックサーチ(2.)と、それで見つからない場合にとにかくしらみつぶしに探すディープサーチ(3.〜6.)である。まずクイックサーチをしてからディープサーチに移るというのは探索の手間対効果の点で大事なことである。
この本は探す手順を写真入りで解説しているのだが、ディープサーチの解説は特に丁寧で、ここまで徹底的に探さないといけないのかと思うとうんざりするくらいである。ディープサーチを行う時にどこを探すかのリファレンスとして使える。それでもまだ探すべき場所は残るのだとは思うが。
8.にある「なくさないための心がけ」ももっともな内容である。
- 所定位置を決める
- 部屋をキレイにする
- 何でも放り込めるスペースを設ける
- あまりものは持たないようにしよう
- 持ち運ぶものを決めよう
- 人にものを貸したら覚えていよう
- 人のもの探しを手伝おう
しかしどうも守れそうにない。実行できそうなのは3番目ぐらいで、あとはズボラな人間にはハードルが高い。
こんな構成でサッと読んでしまえる本なので、まずは一読して探す時の考え方を身につけておき、実際になくしてしまったときにまた参照するとよさそうである。大事なものをなくして動転している時に、この本を見て探索手順を忠実に実行するだけの余裕があるかどうかはわからないが。