全脳自由帳

より考えるために書く

半落ち(横山秀夫)

半落ち (講談社文庫)

半落ち (講談社文庫)

最近英語のペーパーバックに走っていて、日本語では解説書のようなものばかりで小説を読んでいなかったので、これを読んでみた。細かい場景描写を楽しみながら読むにはやはり日本語の小説(海外作家の作品の翻訳ではなく、日本の小説家の書いたもの)に限る。以下はAmazonのページの商品説明より。

「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの二日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとは―。日本中が震えた、ベストセラー作家の代表作。

これはオススメである。ベストセラーになったのもわかる。最後の方がかなり急展開だったし、「梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか」の理由にも若干がっかりしたので、私自身が「半落ち」の状態なのだが、そこまでの話の展開と人間模様にはすっかり引き込まれたし、「その胸に秘めている想い」を考えさせられた。この小説は「謎解き」を主眼にせずに読むのがよさそうである。