全脳自由帳

より考えるために書く

自分で自分をだますことはできない

これもUNIXでの話。大学の研究室にあった共用のUNIXマシンにはrogueという(当時)有名なゲームが載っていた。今では誰も見向きもしないようなキャラクターベースのアドベンチャーゲーム。私はやらなかったが、はまっている人が結構いた。

しかしゲームをやっていては研究活動の妨げになるということで、一念発起して自らを律し、自分がrogueを実行できないように設定した人がいた。例えばrogueを別のコマンドにalias(別名づけ)して違うこと(「ゲームはダメ!」と出力するなど)を実行するようにするとか、コマンドパスでrogueのある/usr/gamesより優先されるディレクトリにrogueというシェルスクリプトを置いて違う処理を実行させるとかいう方法がある。

しかし何日かすると彼はまたrogueをやっていた。"/usr/games/rogue"と入力して起動しているのである。自分で作ったしばりから抜けるのは簡単なのだった。

そのうち状況が助教授に知れ、/usr/gamesの下のゲームは全て削除されてしまった。これで完全に誰も遊ぶことができなくなった。