数々の不祥事でNHK受信料を払わないという人が増えているが(参考: NHKの不祥事 - Wikipedia)、私はNHKの受信料について何回か腑に落ちない思いをしている。
「受信料のご案内」にある通り、NHK受信料には実質「カラー契約」と「衛星カラー契約」の2種類がある(受信規約上は白黒テレビを対象とした「普通契約」「衛星普通契約」や、地上波の受信が困難で衛星放送だけ受信するケースを対象とする「特別契約」というのもあるが、マイナーだと思うのでここでは省く。これらは上記「受信料のご案内」にも記載されていない)。「衛星カラー契約」というのはその名の通り、衛星放送(BS)を観るために必要な契約で、地上波だけの「カラー契約」より1ヶ月あたり945円高い(2ヶ月払いの場合)。
私の家は集合マンションにあり、地上波のテレビ放送は共同アンテナから配信されているが、その中にNHKのBS1,2の放送も入っている。つまりBS1,2の放送を地上波のチャンネルで観ることができる。この場合NHKの受信料はどうなるかというと、マンションの管理組合からの説明は「BSのアンテナを立てていないなら通常のカラー契約の受信料でよい」とのことだった。ただし「BS放送は観ていないと主張すれば」というニュアンス。
今ひとつすっきりしないところである。放送法第32条に「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は,協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」(協会というのは日本放送協会つまりNHKのこと)とあるから、BSアンテナを立てていなくても衛星放送の番組を観られるからには「衛星カラー契約」の受信料を払わねばならないという理屈が成り立つかもしれない。
しかし番組はBSでも画質は地上波アナログと同等である。これが「受信規約」にある「衛星系によるテレビジョン放送の受信」にあたるのかどうか。BSアンテナを立てて高画質で観ている場合(実際画質はかなり違うし、Bモード音声だと音質にも差があるはず)と同じ受信料を払わされるのは納得できないところがある。また、地上波を観るための共同アンテナにつないでいるだけで「BS放送を観るという選択をした」と見なされるのは酷である。このあたりの事情を勘案して、暗黙のうちに「カラー契約でよい」ということになっているのではないかと推測している。しかしどうもどっちつかずで腑に落ちない。
ただし私の家では当初WOWOWを観たかったのでそのためだけにBSアンテナを設置し、付随的にNHKの衛星放送もBS画質で観られるようになった。しばらくするとアンテナを目ざとく見つけたNHKの訪問員が来訪。「衛星カラー契約」の受信料を払うことになった。
何年か後、住んでいる棟の大規模修繕工事が始まり、ベランダに設置したものは撤去しないといけなくなったため、BSアンテナも取り外した。その機会にWOWOWを解約、NHK-BSもBSアンテナでは観られなくなったので受信料は「カラー契約」に変更してもらった。共同アンテナからの地上波画質の衛星放送は引き続き観ていたが。
さて、NHKの衛星放送を観る方法は、上に書いた「共同アンテナから来る地上波アナログ画質のBS放送を観る」「BSアンテナを設置してBS画質で観る」以外にもう1つある。「ケーブルテレビ(CATV)で配信されるNHK-BSのチャンネルをCATV画質で観る」という方法である。ある日我が家にもCATVが設置されることになった。これによってNHK受信料についてもう1つ腑に落ちないことを経験するのである。
(つづく)