全脳自由帳

より考えるために書く

「ご承知の通り」をやたら使う人

人前で話をする時、「ご承知の通り」というフレーズを頻繁に使う人がいる。この言い方がどうも好きになれない。

「ご承知の通り、先月、日銀の金融緩和が入りまして…」

というような言い方。「ご存じの通り」でも同じ。

出された話題(この例では日銀の金融緩和が入ったこと)を自分が知っていればいいのだが、知らない場合、「え? みんな知ってることなの?」とひそかに恥ずかしい思いをすることになる。

普通に「先月、日銀の金融緩和が入りました」とだけ言えばいいのに、なぜわざわざ「ご承知の通り」をつけるのだろう。

想像するに、「みなさんはいろんなことに通じておられるので、もちろんご承知でしょう」と聴衆を持ち上げようという意図があるのではないか。

しかし、「あれ? 私は知らない」と恥ずかしい思いをする人がいたら、持ち上げるどころか不愉快な思いをさせていることになる。

持ち上げようとかどうとか、そんなことまで考えて言っているのではないのかもしれない。だとしても、少なくとも上に書いたようなことにまでは考えが及ばない人なのだなあと思うのである。