全脳自由帳

より考えるために書く

本は貸し借りしないという、守れない誓い

もう何十年も前から、「他人と本を貸し借りしないようにしよう」と思っている。思っているが守れない。

人に本を貸すと、戻ってこないことがとにかく多い。貸してしばらくして「あの本、どうですか?」「あ、まだ読んでなくて…」これはだいたい長引く。すぐ読み始めてくれても途中で止まったらヤバイ。そのまま時が経っていく。このパターン、何度も経験している。

どこかの時点で「そろそろ返してくれませんか」と言うか、あきらめてしまうことになる。前者は気まずいし、後者もいやなものである。

自分が借りる側の時も、なんとなく読み進めることができずに長い間借りたままになってしまうことがある。人のことは責められない。

これが音楽CDなら、1回聴くのにそれほど時間はかからないし、たとえ聴いていなくてもリッピングしてすぐ返してくれることが多い(LPをカセットテープに録音していた時代はそれなりに手間だった)が、本は裁断してスキャンするというわけにもいかない。

思うに、本というのは人に借りたという事実によっていくぶん読む気が減じてしまうものなのである。自分で買った本(図書館で借りた本も?)に比べて、スタート時点で不利になっている。少なくとも私にとってはそうで、他人に借りた本は「早く返さないと」「読んで感想を言わないと」というプレッシャーがあるし、前の記事に書いたように、ていねいに扱わないといけない。そういう要素が、読もうという気を少し削いでしまう。

人に本を勧める時には、貸すことはせずに、自分で入手してくれることを期待するか、いっそあげてしまうか、どちらかにしたい。そして逆に「貸しましょうか?」と言われたら「いえいえ買います」もしくは「読もうと思ったら買います」と言うようにしたい。

…と思っているのだが、守れない。特に、いいと思った本を貸すという行為は時々やってしまう。

いやいや、本というのは無理やり読んでもらうものではないし、自分が読んでおもしろかったからといって他人も喜んで読んでくれると期待しない方がいいのだ。改めて「他人と本を貸し借りしない」ことをここに誓う!