米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

美女(連城三紀彦)

美女 (集英社文庫)

美女 (集英社文庫)

1997年刊行の短編集。

この里芋のような女に、俺の「浮気相手」が演じられるのだろうか? 妻の妹と関係を持った男は、妻の疑いをそらすために、馴染みの居酒屋の女将に一芝居打ってくれるように頼み込んだ。男の前で、妻とその妹、女将―3人の女の壮絶な「芝居」がはじまる。逆転、さらに逆転劇!(表題作「美女」)息を呑む超絶技巧で男と女の虚実を描く、8篇の傑作ミステリアス・ノベル。

8編のうち、「喜劇女優」「他人たち」の2つは技巧的な作品。特に「喜劇女優」は連城三紀彦ならではの超アクロバティックな話だった。技巧ばかりに目が行ってしまって話を味わえない感じはあるが、他の人では読めない作品だと思う。

他の6編はミステリーであり恋愛譚でもある。いずれも「演技」がキーになっているような気がする。ミステリーとしての真相を隠す演技だけでなく、恋愛での「演技」。マイベストを挙げるとするなら最初の「夜光の唇」か。