米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

赤緑黒白(森博嗣)

赤緑黒白 (講談社文庫)

赤緑黒白 (講談社文庫)

Vシリーズもいよいよこれで終わり。第10作。

鮮やかな赤に塗装された死体が、深夜マンションの駐車場で発見された。死んでいた男は、赤井。彼の恋人だったという女性が「犯人が誰かは、わかっている。それを証明して欲しい」と保呂草に依頼する。そして発生した第二の事件では、死者は緑色に塗られていた。シリーズ完結編にして、新たなる始動を告げる傑作。

ある意味で最終作にふさわしい作品だった。驚愕の展開や斬新なトリックがあったわけではないが、犯行の背景・動機にしても話の終わり方にしても、いかにもこのシリーズ(もしくは森博嗣作品)らしいと思える。読み終わった時に大きな満足感があったわけではなかったが、パラパラと読み返していると味わいが出てくる。しかけではなく、全体に漂うテーマや雰囲気(各キャラクターが醸し出すものも含めて)を味わうのがこのシリーズ。

S&MシリーズからVシリーズへと読んできた。これら2シリーズは1作目同士、2作目同士、…で相互に何らかの共通点があるのがすばらしい。これで一区切りだが、森博嗣作品はまだまだある。次は四季シリーズへ。