米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

愛人岬(笹沢左保)

愛人岬―笹沢左保コレクション (光文社文庫)

愛人岬―笹沢左保コレクション (光文社文庫)

1981年の作品。岬シリーズの中では4作目ぐらいだと思う。シリーズといってもタイトルに「岬」とついているというだけで、内容に相互の関係があるわけではなさそう。

丹後半島・犬ヶ岬の断崖で起きた連続殺人事件。被害者の男女の接点が見つからないまま、有力な容疑者となったのは男の友人・水沼雄介だった。水沼の愛人・古手川香織は雄介の無実を証明するため鹿児島に向かう。だが、そこで見つけたものは、香織を苦しめるある事実であった! アリバイ崩しの妙味と男と女の哀切を見事に融合させた、本格推理小説の傑作!

とにかく濡れ場が多い。ミステリーとしてのしかけにはあまりひねりがないと思うのだが、愛人ドラマに気をとられているうちにトリックが明かされていくので、しかけのよしあしを感じさせないつくりになっている。推理小説を読んだという実感はそれほどないが、こういうのも悪くないかという読後感。