米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

悪意(東野圭吾)

悪意 (講談社文庫)

悪意 (講談社文庫)

1996年の作品。

人気作家・日高邦彦が仕事場で殺された。第一発見者は、妻の理恵と被害者の幼なじみである野々口修。犯行現場に赴いた刑事・加賀恭一郎の推理、逮捕された犯人が決して語らない動機とは。人はなぜ、人を殺すのか。超一流のフー&ホワイダニットによってミステリの本質を深く掘り下げた東野文学の最高峰。

ホワイダニットと「信頼できない語り手」が組み合わさった、とんでもない構造の事件。この犯人の奸計にはうならされた。そしてタイトル通りのすさまじい悪意と執念。この動機はなんとも…。「東野文学の最高峰」かどうかは別として、よくこんな話を構築できるものだと思う。

加賀恭一郎シリーズとしては4作目。これまでの作品では(これ以降の作品でも)加賀はあくまで外から描かれていたが、この作品では加賀自身が語り手になった章が織り込まれているのが印象深い。彼の内面を少しうかがうことができるし、教師時代のできごとも明かされる。