全脳自由帳

より考えるために書く

私の嫌いな10の人びと(中島義道)

私の嫌いな10の人びと (新潮文庫)

私の嫌いな10の人びと (新潮文庫)

以前「働くことがイヤな人のための本」という本を読んで、その考え方(もっと発展させると中島「哲学」になるのだと思うが)に共感できるものがあったので、中島義道本をもっと読んでみようと思っていた。本屋でたまたま目について買ってきたのがこれ。

タイトルで言っている「10の人びと」というのは以下。

  1. 笑顔の絶えない人
  2. 常に感謝の気持ちを忘れない人
  3. みんなの喜ぶ顔が見たい人
  4. いつも前向きに生きている人
  5. 自分の仕事に「誇り」を持っている人
  6. 「けじめ」を大切にする人
  7. 喧嘩が起こるとすぐに止めようとする人
  8. 物事をはっきり言わない人
  9. 「おれ、バカだから」と言う人
  10. 「わが人生に悔いはない」と思っている人

こういう人たちがものすごく嫌いだという。共感できるところあり、「そこまで言わなくても...」と思うところありで、いろいろなのだが、サラッと読んでしまうといたってストレートなことを書いているようにも見える。他の著作を読んで中島哲学をちょっとでもかじってから読むともっと楽しいかもしれない。

細かくてかつ本筋からははずれる話なのだが、P160の「寿司屋で三人連れが入ってきたのに席をずらさなかった親子」の話、「親子に移動してもらわずに、中島先生が空席に移動するという手もあったのでは?」と思ったのは私だけ? 連れがいたのかもしれないが、それならそう書いてほしかったなあ。

ちょうど電子書籍のパブーで「うああ哲学事典(41)中島義道」というのを見かけたので買った(10円)。「気分は形而上」の須賀原洋行のマンガ。これによると、中島先生は「自分が聞きたくない音 見たくないものに街なかで遭遇すると 躊躇なく抗議するという行動を徹底する」のだそうである。どんな日常を送っておられるのか興味がある。