米中毒別館

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音楽CDをコピーしてから元のディスクを売るのは適法か

紙の書籍を裁断してスキャンし、PDFなどの電子ファイルにして読む「自炊」行為と、その裁断&スキャンを代行するサービスの著作権法上の扱いに関する記事。

いろんなところで言われている通り、自炊の代行サービス(ユーザが紙の本を送り、業者はそれを裁断してスキャンし、紙の方を廃棄した上で電子ファイルをユーザに送る)は、本の権利者から複製の許可を取らない限り違法だろうとのこと(Q8)。私的複製なので問題ないのではないかとも思ってしまうが、著作権法では「その使用する者が複製することができる」とあるので、複製の代行を権利者の許可なく行うのは違法と解釈される可能性が高いようである。普通は権利者(本の作者にしても出版社にしても)から複製の許可は取れない(少なくとも現実的な手間ではない)ので、適法になるような動きが待たれる。

それより、この記事で意外だったのは以下の部分(Q3)。

一方、当初の“自炊”は私的複製だった場合で、これらのデータが保存されたUSBメモリーやiPadなどの機器ごと知人に譲渡する(デジタルコピーを行わないで譲渡する)ことは基本的に適法と考えられます。データを含む機器そのものを特定の知人に提供する行為は、複製権や後述する譲渡権を侵害しないためです。
これらの事例は、音楽CDをコピーしたCD-Rとも似ています。例えば、最初は自分で楽しむためにコピーしたCD-Rをその後になって特定の知人に貸したり、このCD-Rを知人自らがPCに取り込むといった行為は、私的複製などの範囲を超えておらず著作権侵害ではありません。

私はこれらも「私的複製」ではないから違法だと思っていた。前半の「USBメモリーやiPadなどの機器ごと知人に譲渡する(デジタルコピーを行わないで譲渡する)」というのは、自分のところにコピーを残さないという前提なのかと思ったのだが、後半の「最初は自分で楽しむためにコピーしたCD-Rをその後になって特定の知人に貸したり、このCD-Rを知人自らがPCに取り込むといった行為」の場合は、普通は自分のところにオリジナルが残るから、結果として知人のためにコピーしたことになると思う。しかしそれも最初のコピーの目的が「知人に渡すため」でなく「自分で楽しむため」だったならOKというように読める。最初どう思ってコピーしたかなんて、あとからどうやって判断するのだろう。

前に「手持ちの音楽CDをハードディスクに保存する(3)」で、「中身をハードディスクにコピーした上でCDをブックオフなどに売るのは多分違法だと思う」と書いたのだが、それもハードディスクにコピーする時の目的が「自分で楽しむため」だったなら、あとで思い立ってブックオフに売ってもOKということか。

上記の記事には以下のようなくだりもある(Q4)。

消費者が正規に購入した書籍をネットオークションで販売するのが適法である以上、その書籍を裁断して販売する行為も「違法」とは呼べないように思います。実際のところ、音楽CDなども、おそらくリッピングしてからオリジナルを転売する行為は幅広く行われていますが、書籍が裁断された瞬間に、音楽CDと扱いを変えて転売が違法になるとは考えづらい。

「音楽CDなども、おそらくリッピングしてからオリジナルを転売する行為は幅広く行われていますが」というのは明らかに「それは問題ない」という前提で書かれている。やはりコピーしてから売ってもいいということか。まあCDを売っても大した値段にはならないし、中のブックレット(冊子)を手元に置いておきたいので、私の場合はほとんど売ることはないとは思うが。