米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

高校生からのゲーム理論(松井彰彦)

高校生からのゲーム理論 (ちくまプリマー新書)

高校生からのゲーム理論 (ちくまプリマー新書)

ゲーム理論についてやさしく解説した本がないものかと思っていたら、こういう本が出ていることを知った。

ナッシュ均衡とかなんとか、そのあたりの基礎の解説を期待しながら読んだのだが、そういう本ではなかった。基礎の解説は詳しくやらずに、様々な社会現象をゲーム理論をベースに説明した本。

期待をはずされながらも非常におもしろい本だった。サッカーのPKを蹴る方向、待ち合わせ、ガソリンの価格、航空業界への新規参入などなど、いろんなことがみんなの思惑でどのように動いて/決まっていくかということがわかる。そういうことに興味のある人にはオススメ。

本論とは直接関係ない話なのだが、「折り紙では角の三等分ができる」という話には感動。関係なくても載せる価値がある話だと思った。

キュートな数学名作問題集」の著者である小島寛之氏のブログでもこの本が採り上げられている。

ゲーム理論自体の解説にあえて深入りせずに実際の事例の分析に力を入れているのが本書の長所だということか。理論の詳細は他の本で勉強することにしよう。中国史関係の記述が詳しすぎると書かれているのにはちょっとホッとした。歴史ものが苦手な私には、三国志の話が延々続くのはつらかったので。

上記エントリで「超傑作」と書かれている「戦略的思考の技術―ゲーム理論を実践する」(梶井厚志)も読んでみよう。