米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

「第9地区」を観る

GWにしかない「学校は休みではないが会社は休み」の日、今年は今日1日だけ。例年通り、娘たちが学校に行っている間に妻と映画を観に行く。昨年は「おくりびと」が上映されていることを知ってすぐにそれに決めたのだが、今年はこれというものがなかなか見つからなかった。いろいろ検討して「第9地区」に決定。

ある日、ほかの惑星から正体不明の難民を乗せた謎の宇宙船が、突如南アフリカ上空に姿を現す。攻撃もしてこない彼らと人間は、共同生活をすることになる。彼らが最初に出現してから28年後、共同居住地区である第9区のスラム化により、超国家機関MNUは難民の強制収容所移住計画を立てるのだが……。

シネマトゥデイ: 第9地区

うーむ、私には合わない映画だった。

エイリアンがかなりグロい。あの顔はしばらく頭を離れない(特に、眼だけ人間の眼であるところが...)。そのエイリアンにどの程度感情移入すべきなのか、自分のスタンスを決めかねているうちに話が進んでしまった。南アフリカが舞台なので、エイリアンに対する人間の姿勢とアパルトヘイトとを結びつけて考えさせようとしているのかもしれないが、結びつけるにはあまりにも遠い。「アバター」のパンドラ星人ぐらいの造形ならまだよかったのだが。

そもそも、第9地区に入った主人公たちのエイリアンに対する態度の能天気さ、警戒心のなさにちょっとついていけない。「あーあ、だから言わんこっちゃない」となる。地球人じゃないのに書類にサインをさせるということの意味もよくわからない。書類の有効性を認めているのは誰なのか。このあたりのリアリティのなさと描写のグロさで、本気で途中退出しようかと思った。

そこはなんとか乗り越えて観ていたのだが、終盤の展開も不可解なところが多かった。そして最後のシーンに「え? これで納得しろと?」。というわけで、妻とともに「いろんな面で中途半端な映画」という感想に落ち着いた。

ただ、映像の作り方としては非常によかった。場面の転換、監視カメラを使った目先の変え方など、うまいと思う。ドキュメンタリー風のつくりにしているのも功を奏している。

アメリカ映画の字幕上映なので、当然全部のセリフに日本語の字幕が出るのだが、英語でないエイリアンのセリフなどにはもともと英語の字幕も入っている。しかし南アフリカ現地人が英語でしゃべっている時にも英語の字幕が出ていたのはなぜ? 「英語をしゃべっていても南アフリカ人はエイリアン」という意識が出ているのかな、と邪推してしまった。