米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

天使の耳(東野圭吾)

天使の耳 (講談社文庫)

天使の耳 (講談社文庫)

1989〜91年に雑誌に掲載された6編を収録して1992年に出された短編集。最初は「交通警察の夜」というタイトルだったらしいが、変更されている。

深夜の交差点で衝突事故が発生。信号を無視したのはどちらの車か!? 死んだドライバーの妹が同乗していたが、少女は目が不自由だった。しかし、彼女は交通警察官も経験したことがないような驚くべき方法で兄の正当性を証明した。日常起こりうる交通事故がもたらす人々の運命の急転を活写した連作ミステリー。

原題の通り、いずれの短編も交通警察官の扱う事件が題材となっている。かなり地味な仕事という印象。推理小説でよく出てくる殺人課の刑事以上に、捜査で無駄足を踏む結果になることが多そうである。

ミステリーの種類としてはいろいろだが、復讐譚がいくつか、あと東野作品らしいスポーツものもあり。東野流のひねりが利いたものもあればそうでないものも。

マイベストはやはり表題作「天使の耳」か。これが一番よくできている。逆に「通りゃんせ」はシンプルながら心に残る話ではある。