全脳自由帳

より考えるために書く

自由をつくる 自在に生きる(森博嗣)

自由をつくる自在に生きる (集英社新書 520C)

自由をつくる自在に生きる (集英社新書 520C)

S&MシリーズVシリーズ森博嗣がこういう本を出した。「啓発書」として受け取られるのは気が進まないようなことが本文に書いてあったが、そう受け取られることが多い本だと思う。しかし「啓発」が本業ではないだけに、典型的な啓発書に比べると肩に力が入っていない感じはする。

「人生の目的は自由(を獲得/構築すること)だ」というのが本書の結論。「支配」から解放されて自由に生きるために努力する。簡単にはああそうだと腑に落ちる話ではないが、時々思い出すことになりそうな主張である。途中、退屈な部分もあったが、全体的には興味深く読むことができた。印象に残ったことを拾ってみる。

  • 自由は人工的なもの。科学技術をはじめとする人間の知恵、人間が築いた秩序がみんなを支配から解放してきた
  • 自分がどんな問題を抱えているのかを分析することが必要。それにはただ考えるのではなく、整理して言葉にしてみる(自分と対話する、文字にして書く)
  • 若者が「俺、それ駄目」「私、それだけは許せない」と言うのは、年寄りの真似をすることで、早く大人になろう、大人として認めてもらおうとしているからである

「ブログの罠」という話もあった。ブログを書くことが日常になると、ついブログに書けることを生活の中に探してしまい、知らず知らずのうちにブログに書きやすい毎日を送るようになる。確かに気をつけなければならない。誰でも見られるところに書いていても(だからこそ)、あくまでも自分のために書いているのだということを忘れてはならない。