米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

魔法飛行(加納朋子)

魔法飛行 (創元推理文庫)

魔法飛行 (創元推理文庫)

ななつのこ」に続く、駒子シリーズ2作目の連作短編集。

もっと気楽に考えればいいじゃないか。手紙で近況報告するくらいの気持ちでね―という言葉に後押しされ、物語を書き始めた駒子。妙な振る舞いをする<茜さん>のこと、噂の幽霊を実地検証した顛末、受付嬢に売り子に奮闘した学園祭、クリスマス・イブの迷える仔羊…身近な出来事を掬いあげていく駒子の許へ届いた便りには、感想と共に、物語が投げかける「?」への明快な答えが!

それぞれの短編で提示された謎や伏線、それに意味のわからない「誰かから届いた手紙」が最後に合わさって1つの解決へ。連作短編集ならではの二重構造が味わえる。

謎解きの側面は二重構造の外側(全体としての解明)に重きを置いている感じ。各短編は「ななつのこ」に比べて謎解きの密度が薄くなっている分、やわらかい雰囲気がより強く演出されている。個人的には、駒子の女の子らしいしゃれた文体と瀬尾さんのキザな物言いはちょっとアクが強いなと感じるが、作品の雰囲気づくりには必要なのかもしれない。