米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

恋恋蓮歩の演習(森博嗣)

恋恋蓮歩の演習 (講談社文庫)

恋恋蓮歩の演習 (講談社文庫)

Vシリーズ第6作。タイトルの意味はよくわからない。

世界一周中の豪華客船ヒミコ号に持ち込まれた天才画家・関根朔太の自画像を巡る陰謀。仕事のためその客船に乗り込んだ保呂草)と紫子、無賃乗船した紅子と練無は、完全密室たる航海中の船内で男性客の奇妙な消失事件に遭遇する。交錯する謎、ロマンティックな罠、スリリングに深まるVシリーズ長編第6作!

Vシリーズは第4作「夢・出逢い・魔性」あたりから本格的におもしろくなってきたと思う。本作もその波に乗っている感じで、よく練られていた。しかも、話の途中までそういうふうに思わせないところがうまい。

今回の舞台は船の中。しかし船に乗るまでが長く、前半は全く事件が起こらない。話が進まないなあと思っていたのだが、実は進んでいたのだった。終盤、キャラクターが忙しく動き回るわけでもないのに一気に構造が明らかになる。怒涛の解明は圧巻。

レギュラーキャラクターたちが活かされている。シリーズもここまでくると暗黙の約束(誰々は決して何々をしないとか、誰と誰はくっつかないとか)がいろいろ出てくるが、それらがストーリーとうまく整合している。

Vシリーズの作品はそれぞれS&Mシリーズの同じ番号の作品に対応しているらしいので、これは「幻惑の死と使途」に対応していることになる。最後まで読むと、いくつかの共通点が見えてきた。

途中、ダジャレと名古屋弁が連発される。それぞれ1つずつ意味のわからない言葉があった。ダジャレの方はちょっと考えてわかった(考えないとわからないというのはむなしい)。名古屋弁の方は検索したら意味がわかった。