米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

取調室 静かなる死闘(笹沢左保)

取調室 静かなる死闘―笹沢左保コレクション (光文社文庫)

取調室 静かなる死闘―笹沢左保コレクション (光文社文庫)

1993年。かなり後期の作品ということになる。小エッセイ2本を併録。

佐賀市内のホテルで学生テニス選手権の優勝者・小田垣悦也が撲殺された。死体発見の数時間前にホテルをチェックアウトした父・光秀に疑惑が集まり、一週間後、北海道で光秀は逮捕される。だが、彼には、鉄壁のアリバイがあった。『落としの達人』の異名をとる、水木警部補と光秀の、密室での行き詰まる攻防が始まる!
ミステリーの新たな可能性を拓いた推理傑作!

上記は裏表紙の紹介文そのまま(Amazonのページにもこの内容が出ている)。どうでもいいけど「行き詰まる攻防」じゃなくて「息詰まる攻防」じゃないのか? 確かにいったん行き詰まるので、意味が合っていないことはないが。

取調室での「死闘」は期待していたほどのものではなかったし、最後はあっけなかった。登場人物の描き方も類型的だった。印象に残ったのはあくまでも、真相がどうであったのかということやトリックの内容。それらにだけ焦点を当てて短編としてシンプルにまとめた方がよかったのではなかろうか(「取調室」というコンセプトではなくなってしまうが)。あるいは最初にもう少し真相を明かして倒叙ものとするとか。

「取調室」シリーズは第4作まである。気が向いたらもっと読んでみるかも。