米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

誘拐症候群(貫井徳郎)

誘拐症候群 (双葉文庫)

誘拐症候群 (双葉文庫)

症候群シリーズ三部作の第2作。

警視庁人事二課の環敬吾が率いる影の特殊工作チーム。そのメンバーのある者は私立探偵であり、托鉢僧であり、また肉体労働者である。今回の彼らの任務は、警察組織が解明し得なかった、自称・ジーニアスが企てた巧妙な誘拐事件。『症候群シリーズ』第二弾。再び現代の必殺仕置人が鮮やかに悪を葬る!

どうもパッとしない印象の作品だった。作者からのメッセージを受け取れなかったと言うべきか。「失踪症候群」と同じく、事件のスケールはそれほどのものではないし、裏に驚くべき真相があるというようなこともない。パソコンやインターネットを正面から扱っていることは特筆すべきだが、今となってはちょっと古くなってきているかも。

今回は環チームの中で武藤を中心に話が展開する。この人、クールなのか熱いのかよくわからない。いずれにしても前作よりかなり頼りない印象。こちらがメンバーの優秀さに期待しすぎなのだろうか。あと、武藤にスポットライトを当てたせいで環チーム全体の活躍があまり描かれなかったのは不満。

それと最後の解決方法、これはいくらなんでも。どうやって犯人を追い詰めるのか楽しみにしていたのに。

ついでに言うと、これは作者の責任ではないが、紹介文の「現代の必殺仕置人」というフレーズがよく理解できない。あくまで警察なので、「仕置人」とは全く違うと思うのである。