米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

アメリカ銃の秘密(エラリー・クイーン)

アメリカ銃の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

アメリカ銃の秘密 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

国名シリーズ第6作。

ニューヨークのスポーツの殿堂で行なわれていたロデオで殺人が! 荒馬に乗ったカウボーイたちが拳銃を撃ち鳴らしながらトラックを駆けていたとき、先頭を行くバック・ホーンが何者かに撃たれたのだ。捜査は即刻開始されたが、凶器の銃はどこからも発見されなかった。二万人の大観衆が見守るなか、犯人はいかにして犯行を成しとげ、凶器を隠しおおせたのか? 読者にすべての手がかりを提供して挑戦する国名シリーズ第六弾!

本の感想をブログに書いていると、なるべく他の人とは違った内容の感想を書きたいと思うようになる。したがって、世間の評価の高い作品には「それほどでもなかった」、そうでない作品には「自分にはおもしろかった」と、できることなら書きたくなる。

国名シリーズの中でどうやらあまり評価が高くないこの作品。「自分にはおもしろい話であってくれ」と念じながら読んだのだが、評判通り「今ひとつだった」という感想を抱かざるを得ない。

確かに推理のロジックはクイーンならではの緻密なもの。しかし納得できないのは、状況からして犯行がどうも成り立ちそうに思えないこと、それと探偵・エラリイのとった行動があんまりなこと。これらの点により、ロジックの緻密さだけが変に際立つので、「手がかりはちゃんと書いてあっただろう?」と押しつけられているような気分になる。確かに書いてはあったのだが。

1つ特徴的だったのは、この作品が実際に「アメリカ銃」の話であること。これまでは、「フランス白粉の秘密」といってもフランスも白粉も出てこない、といったようにタイトルと内容とがあまり関係なかったのだが、今回はストレートにタイトル通りの話。

特に国内ミステリーでは殺人に刃物や鈍器や毒物が使われることの方が多いので、銃は「最終兵器(最終凶器?)」のイメージがあるが、本作のロデオのショーでは実に気軽に銃が使われている。やはりアメリカである。

国名シリーズ次作「シャム双生児の秘密」は評判通りおもしろいことを願うとしよう。