米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

皆殺しパーティ(天藤真)

1972年作の第4長編。

地方都市を牛耳る事業王吉川太平に殺人予告が届く。その陰謀を偶然耳にした青年は容疑者を追うが、逆に襲われ殺されてしまう。彼のガールフレンド三村早苗は、太平の押しかけ秘書となって真犯人追及に乗り出すが…。非情ともいえる独裁者吉川の家庭内の人間関係は複雑に絡み合い、殺人予告が引き金となったかのように惨劇が相次ぐ。二転三転する犯人像、はたしてその真相は。

富士川市の事業王・吉川太平のリアルタイムな日記として物語が記述される。よく考えるとあきれるほど強欲な男。しかし彼自身の筆で語られることによってマイルドな印象を与えるようになっている。

真相はなんとなく予想がつかないことはなかったが、最初の事件からは想像のつかない大規模な惨劇に発展していくのは読みごたえがあった。最後の終わり方もしゃれている。