全脳自由帳

より考えるために書く

危険な童話(土屋隆夫)

危険な童話 (光文社文庫)

危険な童話 (光文社文庫)

1961年の作品。

「ねえ だれか わたしと遊ばない?」あるばん お月さまが お星さまたちに 話しかけました…幻想的な童話と血腥い殺人。被害者は傷害致死で服役し、仮釈放されたばかりだった。人生の再出発を誓う彼が訪れた、従姉妹のピアノ教師の家。しかしここには何者かの冷酷な殺意が待ち受けていた。
日本推理小説史上屈指の名作。

刑事たちが1人の容疑者にずっとこだわって捜査を続けるのが印象的。薄皮を剥ぐようにトリックが明かされていく。事件の背後にあった悲劇が胸を打つ(若干無理があるのではと思ったところもあったが)。各章の冒頭で少しずつつづられる童話(というより詩?)との関係はあまりピンとこなかった。