全脳自由帳

より考えるために書く

花の棺(山村美紗)

花の棺 (光文社文庫)

花の棺 (光文社文庫)

吉村達也西村京太郎赤川次郎に続いて、「多作な人の傑作を読もう」シリーズ(?)第4弾。

京都・堀川通空也堂境内で毒殺されていた女は、華道・東流の小川麻衣子だった。京流の久条麗子とともに、華道界をになう若手として将来を嘱望されていた彼女こそ、華道を習うために来日したアメリカ副大統領令嬢・キャサリンが捜していたその人であった。エスコート役の浜口一郎と、真相を探るべく京都に赴いたキャサリンを迎えたのは、第二の殺人であった。

山村美紗の中ではコレ!」という書評をいくつか目にするだけあって、印象に残る作品だった。「ABC殺人事件」的にと言ったらいいのか、一定の規則に従って連続して事件が起こる。密室のトリックには盲点を突かれた。車のトリックもおもしろい。探偵役が外人(キャサリン)なのはなぜだろうと思いながら読んでいたのだが、トリックが明かされると半分ぐらい納得。これがキャサリンシリーズの第1作らしい。

しかし華道の世界というのは、ここまではいかないにしても実際に流派間の争いが激しいところなのだろうか。