全脳自由帳

より考えるために書く

コミック「孤島パズル」(1)(有栖川有栖, 鈴木有布子)

孤島パズル 1 (1) (BLADE COMICS)

孤島パズル 1 (1) (BLADE COMICS)

学生アリスシリーズ。「月光ゲーム」に続いて「孤島パズル」も同じコンビでコミック化される。「月光ゲーム」のコミック版がかなりよかったので、今回も期待が高まる。私にとっては、これまでに読んだ有栖川作品の中で一番好きな作品である。しかも今度は1巻きりではなく全3巻。そのうちの第1巻が出た。

やたらさわやかな表紙。まずはこの作品から登場するマリアがどんな感じに描かれるのか楽しみにしていたのだが、あまりにも普通(のかわいい子)だったのでちょっとだけ拍子抜け。

それともう1人注目していた人がいた。真犯人になるある人である。こちらはかなりイメージが違っていた。まあ小説のコミック化や映画化の際にはいつもつきまとうことだし、気になるほど違っているわけではない。

全体として、今回も原作の雰囲気をうまく伝えながら少女マンガ的ノリに溶け込ませていると思う。全く不自然さが感じられなくてよい。原作を読んだ人も読んでいない人も楽しめるのではなかろうか。

ただ、原作で一番印象に残っていたシーン(なぜ印象に残ったかは秘す)があまりにもさらりと描かれていた(コミックP125)のにはちょっとがっかりした。こんなシーンにこだわる人は少ないのかもしれないが。

この第1巻で、原作のページ数でいうと全体の半分近くまで進んでしまった。これからあと2巻、じっくりと描いてくれることを期待している。