全脳自由帳

より考えるために書く

ロシア紅茶の謎(有栖川有栖)

ロシア紅茶の謎 (講談社文庫)

ロシア紅茶の謎 (講談社文庫)

作家アリスシリーズの短編集。エラリー・クイーンに倣った国名シリーズだが、国名が入っているのは表題作のみ。

作詞家が中毒死。彼の紅茶から青酸カリが検出された。どうしてカップに毒が?表題作「ロシア紅茶の謎」を含む粒ぞろいの本格ミステリ6篇。エラリー・クイーンのひそみに倣った「国名シリーズ」第一作品集。奇怪な暗号、消えた殺人犯人に犯罪臨床学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖の絶妙コンビが挑む。

お手軽な作品がそろっているという印象。大きくうならされる作品はなかったが、肩が凝ったり気分が重くなったりせずに読むことはできる。

暗号ものやダイイングメッセージものもいくつかあり。これらはどうしてもワンアイデアで書いている感じになるから、「だから何?」という読後感になりがちだが、まあ深く考えずに楽しめばいいのだろう。

個人的に一番気に入ったのは「赤い稲妻」。この「密室」はおもしろい。表題作「ロシア紅茶の謎」はさすがにクイーン風のロジックものだった。