全脳自由帳

より考えるために書く

麦酒の家の冒険(西澤保彦)

麦酒の家の冒険 (講談社文庫)

麦酒の家の冒険 (講談社文庫)

タック&タカチシリーズ第3作。

ドライブの途中、四人が迷い込んだ山荘には、一台のベッドと冷蔵庫しかなかった。冷蔵庫には、ヱビスのロング缶と凍ったジョッキ。ベットと96本のビール、13個のジョッキという不可解な遺留品の謎を酩酊しながら推理するうち、大事件の可能性に思い至るが…。ビール党に捧げる安楽椅子パズル・ミステリ。

冷蔵庫のビールをはじめとする山荘の設備やその日の交通状況などの情報だけから、何が起こったのかを安楽椅子探偵的に4人が推理していく。しばらくは推理合戦が行われるばかり。まさか最後までこの調子じゃないだろうなと思っていたら、そのまさかだった。

究極の安楽椅子探偵ものという言い方ができなくはないが、ちょっとついていけない。あまりにも「ロジックの遊び」に偏しすぎなのではなかろうか。

私が下戸であるためにビール党の集まりに感情移入しにくいということも少しはあるのかもしれないが、どうも話に入り込んでいけない作品だった。