全脳自由帳

より考えるために書く

回廊亭殺人事件(東野圭吾)

回廊亭殺人事件 (光文社文庫)

回廊亭殺人事件 (光文社文庫)

売れっ子である東野圭吾の本は、古本屋では「入れ食い」状態でほとんど置いていないのだが、たまたま見つけたので買ってきた。まだ本格推理小説をたくさん書いていたころの一作。

一代で財を成した一ケ原高顕が死んだ。妻子を持たない高顕の莫大な財産の相続にあたり、彼の遺言状が一族の前で公開されることになった。公開場所は旅館“回廊亭”。一族の他には、菊代という老婆が招待されていた。だが、菊代の真の目的は、半年前に回廊亭で起きた心中事件の真相を探ることだった…。その夜、第一の殺人が。斬新な趣向を凝らした傑作長編推理。

主人公は菊代に変装して回廊亭にもぐり込む。それがいつばれるのかが1つの焦点になる(実際には若い女性が老婆に化けるのは相当困難だとは思うが...)。そして結末... そうきたか! 我ながら簡単にだまされるものである。東野圭吾らしく、最後にはせつなさの漂う話だった。