全脳自由帳

より考えるために書く

密室の鍵貸します(東川篤哉)

密室の鍵貸します (光文社文庫)

密室の鍵貸します (光文社文庫)

東川篤哉の作品は初めて。

しがない貧乏学生・戸村流平にとって、その日は厄日そのものだった。彼を手ひどく振った恋人が、背中を刺され、4階から突き落とされて死亡。その夜、一緒だった先輩も、流平が気づかぬ間に、浴室で刺されて殺されていたのだ!かくして、二つの殺人事件の第一容疑者となった流平の運命やいかに?ユーモア本格ミステリの新鋭が放つ、面白過ぎるデビュー作。

なかなかうまいトリックだった。1つ1つの要素は普通だが、全体としてうまく組み立てられていると思った。

タイトルは「アパートの鍵貸します」のもじりだと思うが、内容ときっちり合っているとは言えないのがちょっと気になる。そんな細かいことを気にせずにつけたのだろうけど。

あまり長くない(文庫版で300ページぐらい)ので読みやすい。特にこの軽妙な文体が肌に合う人にとっては、この人の作品は楽しめそうである。私はまあ、また気が向いたら他のも読もうかと。