- 作者: 山田風太郎
- 出版社/メーカー: 廣済堂出版
- 発売日: 1996/07/01
- メディア: 文庫
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何か読んでみたいとかねがね思っていたのだが、時代ものが苦手なので忍法帖シリーズなどはどうも読めない。しかし現代もののミステリーも書いている。
アパート「人間荘」16号室の押入れから一冊のノートが発見された。そこには、その部屋に住んだ代々の住人が書きついだ人間観察、人間荘で起きた6件の犯罪―錯覚による殺人、出来心による殺人、善意による殺人、怠慢による殺人、正当防衛による殺人、口ふうじのための殺人―の記録が綴られていた。何故に、ひとつのアパートを舞台に住人たちの間で連鎖犯罪が起きたのか?その背後には恐るべき真実が…。
不思議な小説だった。殺人の連鎖というか輪廻というか。かなり非現実的だが、住人が殺人日記を受け継いでいくというのは奇想天外。結末には驚いたというか納得したというか。文章にはやはり昔の味がある。この人の他のミステリー作品も読んでみたくなる。