米中毒別館

思いついたことをこまごまと。本の感想なども。

人格転移の殺人(西澤保彦)

人格転移の殺人 (講談社文庫)

人格転移の殺人 (講談社文庫)

七回死んだ男」に続き、西澤保彦氏のSFミステリーを読む。Amazonの紹介文より。

突然の大地震で、ファーストフード店にいた6人が逃げ込んだ先は、人格を入れ替える実験施設だった。法則に沿って6人の人格が入れ替わり、脱出不能の隔絶された空間で連続殺人事件が起こる。犯人は誰の人格で、凶行の目的は何なのか?人格と論理が輪舞する奇想天外西沢マジック。寝不足覚悟の面白さ。

舞台はなぜかアメリカ。人格を入れ替える(人の意識を他人の体に移す)ことのできる装置が登場。登場人物の体と人格が一致しないというややこしい状態で殺人事件が起こる。こういう場合、Aの体にBの人格が入っていた状態で殺されると、「Bが殺された」ということになるのであるな。Aも体を失ったことになるが。

話がややこしいことはややこしいが、それなりに丁寧に説明・記述してあるのでわからなくなることはない。そして真相が明かされた時には大いに驚かされた。このSF的設定を巧妙にトリックに利用している。それと、留学などで外国に住む日本人の心情をよく描いていると思う(私は住んだことないけど)。

「七回死んだ男」と同様、軽快な文章、驚愕の真相、読後感のよさがそろった作品だった。氏の他のSFミステリーや他シリーズ(タック&タカチシリーズなど)も読んでみたくなる。