全脳自由帳

より考えるために書く

"Big Bang"読了

Big Bang: The Origin of the Universe

Big Bang: The Origin of the Universe

読み始めから1年以上。途中長いことほったらかしにしていたが、最近またムクムクと読む気が起こり、500ページ近くある大作を一気に読み終えた。原書だが文章はそれほど難しくなく、読みやすい。ただし難しい単語が頻出するので辞書を多用した。

天動説・地動説からビッグバン理論の最近の進展までの宇宙論史。これほどおもしろい本にそうそう出会えるものではない。どの話も学者たちの人間模様に満ち満ちている。宇宙論に興味のある人は、日本語版(「ビッグバン宇宙論(上) (下)」)でもいいのでぜひ読みましょう。星雲までの距離の測り方など、全く知らなかった話もあった。そしてCMB(宇宙マイクロ波背景放射)のゆらぎが発見されたのが1990年代になってからだったとは。

昔ビッグバン理論のことを初めて聞いた時には、内容が突飛なのでキワモノ的な理論なのかなと思っていたのが、定説になっていることをだいぶ後に知って驚いたことがある。今思えば、初めて聞いた時には実際にまだ定説になっていなかったのかもしれない。

フェルマーの最終定理」といいこの本といい、サイモン・シンという人はつくづくすごいライターである。残念ながら、もう著作活動はやらないということを巻末のインタビューで示唆している。とりあえずもう1冊の著作「The Code Book」も読んでみたい。英語の方だと時間がかかるので、今度は日本語版(「暗号解読(上) (下)」)で。