全脳自由帳

より考えるために書く

算数チャチャチャで解きましょう

昔「みんなのうた」で放送されていた「算数チャチャチャ」という歌がYouTubeにアップロードされていた。この歌、子供のころによく放送されていたのを覚えている。「算数」といいながら高校レベルの数学の問題を題材にしたシュールな歌で、ペギー葉山が歌っていた。1番の出だしは

♪ルート2プラス1分の チャチャ 2プラスルートの2 (チャチャチャ)

つまり\frac{2 + \sqrt{2}}{\sqrt{2} + 1}を簡単にせよという問題である。

このあとに解法と答(\sqrt{2})が続くのだが、解法の歌詞を覚えていなかったので、私はてっきりこういう問題で常道の、

\frac{2 + \sqrt{2}}{\sqrt{2} + 1} = \frac{(2 + \sqrt{2})(\sqrt{2} - 1)}{(\sqrt{2} + 1)(\sqrt{2} - 1)} = \frac{\sqrt{2}}{(\sqrt{2})^2 - 1^2} = \sqrt{2}

というふうに分母を「和と差の積」にしてルートを消す方法で解いているのだろうと思っていた。

ところが今になって歌を聴いて(観て)みると

\frac{2 + \sqrt{2}}{\sqrt{2} + 1} = \frac{\sqrt{2}(\sqrt{2} + 1)}{\sqrt{2} + 1} = \sqrt{2}

というあっけない解き方。分子をこうくくると約分できるということをすぐ発見できれば苦労はしないのだが。

2番は \sin\theta = \cos\theta \times \sqrt{3}となるときの \cos\thetaを求めよというもの(と明示的に問題を出しているわけではないが、答はそうなっている)。子供のころは三角関数を知らなかったので意味がわからなかったが、今聴いて納得。\tan\theta = \sqrt{3}から、\thetaは辺の比が2 : 1 : \sqrt{3}の直角三角形の1つの角であることがわかり、\cos\theta = 0.5が導き出されるのだった(よく考えると-0.5もあるが)。

Wikipediaによると、この歌の初回放送は1973年らしい。3番もあるようである。今でもそうだが、「みんなのうた」は時々こういう飛んだ歌をやるのでおもしろい。