全脳自由帳

より考えるために書く

We are(オフコース)

We are

We are

 

「自己ベスト」の話を書いたら、やはりというかなんというか、オフコースの昔のアルバムを聴きたくなった。となるとこれである。

私にとってのオフコースは5人のグループである。2人(小田和正+鈴木康博)のころから聴いていた、と言えればいいのだが、「いい曲があるらしいけど全然売れない」グループ(ひそかにブレッド&バターと同じカテゴリに分類)として認識していただけで、曲も知らなかった。聴くようになったのは御多分に漏れず5人(清水・松尾・大間の3人が加入)になった後の「さよなら」のヒットからである。そして鈴木康博が抜けて4人になってからは「もうオフコースではなくなった」ような気がして聴かなくなってしまった。実は4人の期間の方が5人の期間より長いのだが。

5人の時代に4枚のオリジナルアルバムを出していて、「We are」はそのうち2枚目。4枚とも聴いたことはあるがCDを持っているのはこれだけである。いい曲が多いのでピックアップレビュー。

  • 1. 時に愛は
    気合の1曲。特に大間ジローのドラムに気合が入っていると思うのは私だけか? ゆっくりしたテンポで丁寧にリズムを刻んでいる。最後の「湧き出るような」ギターの掛け合いも(あまり気の利いたフレーズじゃないけど)心地よい。小田和正のボーカルも冴えている。...てなことを考えるようになったのは何十回も聴いたあとで、それまでは単に「いいなあ」と思いながら聴いていたわけだが。
  • 5. いくつもの星の下で
    鈴木康博作のバラード。10代のころはこの曲の歌詞が女々しく感じられて好きになれなかったが、今聴くとそうでもない。自分が変わっただけか。歌詞が女々しいのはオフコースの芸風だし。
  • 6. 一億の夜を越えて
    これも鈴木康博作。こういう曲は小田和正には作れない(逆も言えるけど)。やっぱり鈴木康博がいないとオフコースではない。「線の細いロック」がとてもいいのである。全然ほめているように聞こえないかもしれないが。
  • 8. Yes-No
    ライブ映像でこの曲をよく見るせいか、改めてアルバムで聴くとアレンジがおとなしめに聞こえる。ライブでは「♪あああ 時は 音もたてずに...」のところで観客が「タン、タタン」と手拍子を打つのが定番だったが、小田和正はこれがきらいだったらしい。今年放映されていたテレビ番組「月曜組曲」でこの曲をやったあと「当時、『何がタンタタンだ』と思っていた」と言っていた。そんなことを言えるようになったというのは、もう昔のことになったということであるなあ。
  • 9. 私の願い
    オフコースの曲の中でも最も好きな曲の1つ。こういう曲があるから、やっぱりオフコース小田和正のグループかなと思ってしまうこともある。前述の「月曜組曲」にゲストで来てこの曲をやった鈴木雅之は「初めて聴いた時、涙してしまった」と言っていた。
    歌詞の中で自分のことを「僕」「私」、相手のことを「君」「あなた」と、代名詞を2つずつ使い分けているところになんとなく深い意味がありそうな気がする。

「We are」の次に出たアルバムが「over」。「We are over(我々はもう終わり)」になるので「もしかして解散するのか? そんなことないよなー」と言い合っていたら、ほどなく鈴木康博が抜けて4人になってしまったのだった。